本建物は、今からおよそ110年前、四代目当主により建設されたもので、吟味された良質な木材の使用や、各室に趣向を凝らした意匠性などが認められております。
代々大切に守り継いできた建物が、このような形で認められましたことを、親族ならびに関係者一同、誠に光栄に存じます。
また、祖業として現在も木材業を営む私どもにとりまして大きな励みとなる出来事であり、木とともに歩んできた歴史の重みをあらためて感じる機会となりました。
このたびの答申に際し、多大なるご尽力を賜りました文化庁、岡山県、瀬戸内市をはじめ関係の皆さまに、心より感謝申し上げます。
この建物に込められた歴史と先人の思いを大切に受け継ぎながら、これからも末永く守り継いでまいります。
服部興業株式会社
代表取締役社長 服部俊也

旧服部家住宅 7棟 主屋、長屋門、宝蔵、大蔵、西米蔵、東米蔵、納屋
(1)所 在 地 瀬戸内市牛窓町
(2)所 有 者 信豊株式会社
(3)建築の時代 大正3年(1914年)(主屋)
(4)概 要
旧服部家住宅は、瀬戸内市牛窓の海浜に位置する。幕末から近代にかけて、木材流通をはじめとする多角的な事業の展開により隆盛した商家の屋敷である。
主屋は大正3年の建築で、破風を二重とした豪壮な建物。四方柾のトガや美しい木目のケヤキ、屋久杉など、木材商の矜持を示す上質な木材を存分に使用し、木地をいかした端正なつくりである。それぞれ趣向を違えた多彩な座敷と茶室は上品で、床構えに幾種もの銘木を取り合わせ、壁には数種の色土を用い、変化に富む、洗練された接遇と生活の空間を形成している。また、地元大工による施工も優秀。広大な敷地には、事務と応接の機能を備えた長屋門や堅牢な土蔵群、長大な納屋などが巧みに配置され、近代に隆盛した商家の屋敷構成を伝えており貴重である。
○指定基準=意匠的に優秀なもの



























